こんにちは!
2020年10月7日23:59分よりオークランドを含むニュージーランド国内が警戒レベル1へと移行し、以前のような制限のない生活が戻ってきたという記事を先日書書きましたが、そんな中来週2020年10月26日月曜日はニュージーランドではレイバーデイ(労働者の日)という祝日となり、今週末より少し長い休日へと突入します。
以下の写真は本日23日金曜日お昼ごろの写真です。ご覧の通り休日前の金曜日のお昼頃からすでにオークランドから郊外に出ていく車で渋滞を引き起こしています。
ニュージーランドではコロナにより2度のロックダウンを経験し、国外からの観光客も当分見込めない中、このように国内旅行者が戻って来たというのはうれしいお知らせです。
そんな現在のニュージーランドの休日事情でしたが、皆さんはこのきたるレイバーデイという祝日聞いたことありますでしょうか?直訳すれば「労働者の日」、聞こえは日本の勤労感謝の日のようですが、その歴史的背景をみると意味合いはまったく違うものだとわかります。
もう現代では当たり前となっていますが、実働8時間というライフスタイル、いつ誰が決めたのか疑問に思う方もあまりいないのではないかと思います。実はこのライフスタイルを初めて定めた方(はじめた方)がここニュージーランドにいました。その方はSamuel Parnell(サミュエル・パーネル)というロンドン出身の大工さんで、彼は1840年2月にニュージーランドに渡ると、当時商人で運送業者でもあったGeorge Hunter(ジョージ・ハンター)【後のウェリントン市長】より彼のために倉庫を建てるよう依頼をされました。その時パーネル氏の返答は伝記として残っております。
I will do my best, but I must make this condition, Mr. Hunter, that on the job the hours shall only be eight for the day … There are twenty-four hours per day given us; eight of these should be for work, eight for sleep, and the remaining eight for recreation and in which for men to do what little things they want for themselves. I am ready to start to-morrow morning at eight o’clock, but it must be on these terms or none at all.
引用元 – NZ History – https://nzhistory.govt.nz/people/samuel-parnell
ハンターさん、やれるだけやりますが、条件があります。一日8時間のみの労働とさせていただきます。私達には一日24時間が与えられており、労働に8時間、睡眠に8時間、残り8時間は娯楽など自身のために与えられるべきです。作業は明日朝8時から開始できますが、この条件をのんで頂けなければお引き受けできません。
自身の見解による意訳です、ご了承ください。
これまで労働時間の規定などなかった時代ですので、これに対しハンター氏もロンドンではありえないと反論しますが、パーネル氏もここはロンドンではないと一言、さらに移民労働者もまだ少なく選択肢の無かったハンター氏はこの条件をのむこととしました。
その後も多くの雇用主は労働者に対し長時間の労働を課そうと試みましたが、パーネル氏はその他労働者の賛同を得ていき、1840年の10月には勤務時間は8時~17時と取り決められることとなりました。
その後1890年までにこの「8時間労働」は、行商人や労働者の間で基準となっていきましたが、その後も長時間労働を強いる雇用者が後を絶たなかったため、毎年10月に組合によるパレードが行われ、政府に対し慣習ではなく法によって労働時間を規制するよう訴えかけるようになったといいます。
因みに1899年には、ニュージーランドは正式に毎年10月の第4週をレイバーデイ、祝日と定められました。
普段常識にそこまで疑問を持つことも少ないので、自身は以前この話をきいた時は面白い話だなと感じたことを覚えています。
より詳細を知りたい方は以下リンク先をご覧ください。
引用元 – NEW ZEALAND HISTORY
それではまた。